
アメリカの「関税攻勢」がまた新たな局面を迎えた。今度のターゲットはタイを含む60ヵ国だ。
米国通商代表部(USTR)は通商法301条に基づき、強制労働・人権問題を理由とした追加関税の対象国リストに、タイを含む60ヵ国を加える方向で検討を進めているという。タイは「12.5%のリスクグループ」に分類されており、輸出産業に深刻な打撃を与える可能性がある。
「強制労働問題」——タイはどう見られているのか
米国側が問題視しているのは主に、タイの水産業・農業・製造業における外国人労働者(特にミャンマー・カンボジア・ラオスからの移民労働者)の待遇問題だ。賃金未払い・人身売買・劣悪な労働環境などが国際的に指摘されており、これが通商301条の発動要件に該当するとUSTRは判断しているとみられる。
「ドー・コブサック」経済顧問は「タイは早急に労働法の抜け穴を塞ぎ、外国人労働者の権利保護を強化する必要がある。そうしなければ米国の制裁を受けるリスクがある」と警告を発している。
タイ輸出産業への影響——特に食品・電子部品に打撃
米国はタイの最大の輸出先のひとつであり、タイの水産加工品(エビ・魚)、電子部品、ゴム製品などが対象となりうる。もし12.5%の追加関税が課された場合、タイの輸出競争力は大幅に低下し、中国・ベトナムとの競争でさらに不利な立場に追い込まれる。
市場関係者の「グラパット」氏は「これは心理的な圧力が主目的かもしれないが、実際に関税が発動されれば電子部品株・食品株に大きな打撃となる。株式市場も関連セクターは要注意だ」と分析している。
政府の対応——「速やかに是正措置を取る」
タイ政府は「米国側と連絡を取り合っており、労働環境の改善に向けた具体的な措置を速やかに実施する」と表明している。外国人労働者の賃金支払いシステムの電子化、不法就労の取り締まり強化、労働監督官の増員などが検討されているとされる。
しかし、長年にわたる構造的問題を短期間で解決できるかどうかについては、専門家の間で懐疑的な見方が多い。
「自由貿易」の名のもとで進む米国の関税外交——タイ産業界は今、外交と産業改革の両輪を回しながら、嵐が来る前に備えを整えるしかない局面だ。
出典:ข่าวหุ้น(2026年6月3日)
タグ:米国関税, 通商301条, 強制労働, タイ輸出, 貿易摩擦, タイ経済, USTR