タイの証券大手CGSインターナショナル証券(タイランド)は、来週のタイ株式市場(SET指数)について1615~1640ポイントのレンジで推移するとの見通しを示した。前週末の米ダウ工業株30種平均が史上最高値を更新し、米国とイランの緊張緩和が好材料となる中、タイ株市場にも堅調な地合いが波及するとの見方だ。
タイ証券取引所によれば、8月7日(金)の取引でSET指数は前日比2.64ポイント安の1612.00で取引を終えた。この日の売買代金は約633億9138万バーツ。取引時間中の高値は1617.77ポイント、安値は1607.45ポイントで、米雇用統計の発表を控えて投資家が様子見姿勢を強めたことが上値を抑えた格好となった。
注目銘柄はタイ国際航空とデルタ・エレクトロニクス
CGSIは来週の注目銘柄として、タイ国際航空(THAI)とデルタ・エレクトロニクス(DELTA)の2銘柄を挙げている。タイ国際航空については、2026年第2四半期が業績の底になるとの見方を示し、下半期は燃料費の低下や機材拡充を背景に業績が回復し、2027年には成長が加速するとの予想を示した。燃料コストの安定化と路線ネットワークの拡大が、同社の収益改善を後押しする材料として注目されている。
デルタ・エレクトロニクスに関しては、データセンター向け電源機器やAI関連需要の拡大が引き続き追い風になるとの見方が示されている。世界的な半導体・AIインフラ投資の拡大を背景に、タイの電子部品メーカーへの投資家の関心が高まっている。
米雇用統計の悪化が金融市場全体に波及
今回のSET指数見通しの背景には、米国で発表された7月の雇用統計の下振れが大きく影響している。市場予想を大幅に下回る結果を受けて米金利先高観測が後退し、世界的にリスク資産への資金流入が意識される展開となった。タイ市場でも外国人投資家の売買動向が引き続き相場の方向性を左右するとみられ、来週は米国の金融政策見通しとタイ企業の決算発表の両にらみの展開が予想される。
市場関係者は「短期的にはボラティリティの高い展開が続く可能性があるが、外国人投資家によるタイ株買いの動きが続けば、レンジの上限を試す展開も考えられる」と話しており、来週のSET指数の値動きが注目されている。