タイ財務省は19日、完成車(CBU)で輸入される電気自動車(EV)の物品税をおよそ10%から30%超に引き上げる案を2週間以内に閣議に提出する方針を明らかにした。2027年1月1日の施行を目指しており、タイ国内に工場を持つ自動車メーカーを保護し、「メイド・イン・タイランド」の度合いに応じて税率を段階的に変える仕組みへの移行を狙う。
これまでタイは外国メーカーのEV輸入を促す目的で関税を低く抑えてきたが、国内生産拠点を持つメーカーとの間で税負担の不均衡が指摘されていた。財務省は今回の見直しにより、完成車を輸入して販売するだけのメーカーと、タイ国内で生産・雇用を行うメーカーとの競争条件を均衡させたい考えだ。
国内生産への投資メーカーに追い風
タイはこれまで日系メーカーを中心に自動車生産拠点としての地位を築いてきたが、近年は中国系EVメーカーの輸入攻勢が強まり、国内で組み立てを行う意義が薄れかねないとの懸念が業界内にあった。今回の関税見直しは、タイ国内での投資・生産を継続する企業にとって追い風となる可能性がある一方、輸入EVの価格上昇を通じて消費者の負担が増す可能性もある。
株式市場への影響に注目
証券取引所(SET)に上場する自動車部品関連銘柄や、タイ国内に生産拠点を持つ完成車メーカー系列の銘柄にとっては、今回の政策転換が材料視される可能性がある。閣議提出後の正式決定や施行細則の内容次第で、個別銘柄の評価が左右される展開が予想され、日本の個人投資家にとってもタイの自動車産業関連銘柄を見る上で注目材料となりそうだ。
タイには日系の完成車メーカーや部品メーカーが数多く生産拠点を構えており、今回の関税見直しが実際にどの程度の税率に落ち着くかは、今後のタイ国内生産の投資判断にも影響しうる。閣議での審議内容や発効時期の詳細は今後の発表を待つ必要があり、業界団体や関係企業の反応も注目される。