アヌティン首相(内相兼任)本人に発行された交通違反切符の情報とみられる文書が、有名フェイスブックページを通じてSNS上に流出した。同ページは「政府のシステムをハッキングした集団から入手した」と主張しており、これを受けてタイ警察のトップは、サイバー犯罪捜査局(サイバー警察)に対し、情報の真偽と流出経路の全面的な調査を指示した。
流出したとされる情報には、首相本人だけでなく内務省関係者の個人情報も含まれていたとされる。警察幹部は「投稿の内容が事実であれば、コンピュータ関連犯罪法をはじめとする関連法規に基づき、厳正に対処する」と述べた。
「本物か偽造か」の見極めが焦点
捜査当局は現在、流出したとされる文書が実際に政府システムから抜き取られた本物のデータなのか、それとも偽造・捏造された情報なのかの見極めを急いでいる。ある捜査関係者は「投稿元の特定と、情報がどの経路で外部に渡ったのかを並行して調べている」と説明した。
SNS上では「首相ですら情報漏えいの被害に遭うなら、一般市民の個人情報はもっと脆弱ということではないか」「政府のデータ管理体制そのものを見直すべきだ」「情報が本物なら大問題だが、偽情報で世論を煽っている可能性も否定できない」といった様々な反応が見られた。
行政のサイバーセキュリティ体制に一石
今回の一件は、タイ政府が推進するデジタル行政の裏側にあるサイバーセキュリティ体制の脆弱性を改めて浮き彫りにした形だ。内務省は今後、省内のデータアクセス権限やシステムのログ管理体制を再点検する方針とみられ、政府全体としての情報管理強化が急務となっている。