タイ内務省は8月8日未明、ノンタブリ県の中学校で起きた銃乱射事件を受け、全国の警察・行政機関に対し、銃器と薬物の取り締まりを強化するための検問態勢を敷くよう指示した。学校を含む公共の場での暴力事件を未然に防ぐことが狙いだ。
今回の指示は、8月7日にノンタブリ県テープシリン・ノンタブリ校で発生し9人が死亡、15人が負傷した銃乱射事件を受けたもの。内務省はこれまでにも銃器の所持許可や違法な改造銃の取り締まりに関する対策を打ち出してきたが、今回はより実効性の高い措置として、幹線道路や地域の主要拠点に検問所を設け、不審な銃器や薬物の摘発を強化する方針を示した。
過去の教訓を踏まえた即応措置
タイでは過去にも保育施設での銃乱射事件など、銃器が絡む痛ましい事件が繰り返されてきた経緯があり、そのたびに銃器管理の強化が課題として指摘されてきた。内務省関係者は、所持許可の条件を満たさなくなった人物からは速やかに許可を取り消すことや、違法薬物の使用者による銃器の入手を防ぐための連携強化などを検討していることを明らかにしている。
アヌティン首相は事件発生後、警察トップと犯罪抑止を担当する部門の幹部を招集し、銃器管理体制について協議するよう指示していた。今回の内務省による全国的な検問強化は、この指示を踏まえた具体策の一つと位置づけられる。
学校現場でも独自の安全対策が拡大
行政による対策強化と並行し、各地の学校でも独自の安全対策が広がりつつある。バンコクの名門校では登校時に金属探知機でかばんを確認する体制の導入が発表されたほか、複数の学校で送迎時間の厳格化や校内巡回の強化が検討されているという。今回の一連の事件は、タイ社会における銃器管理と学校の安全確保のあり方について、行政と教育現場の双方に重い課題を突きつけている。