タイのアヌティン首相は9月11日、法律に違反した外国人の国外退去手続きを迅速化する方針を改めて強調し、直近1週間で既に2件の送還手続きを進めたことを明らかにした。国内で高まる違法な外国人ビジネスへの反発を背景にした動きだ。
「国民には自国を愛する権利がある」
アヌティン首相は財務省傘下の資金洗浄防止機関(AMLO)の事務所で取材に応じ、「タイ国民には自国を愛し、不適切な行動をとる外国人に不満を表明する権利がある」と述べた。政府は外国人による不法行為への対応を迅速化するための首相令を既に発令しているとし、「基準に該当する外国人はまだ他にも存在する。速やかに国外退去の手続きを進めていく」と述べ、取り締まりを強化する姿勢を示した。
市民運動の高まりが背景に
今回の発言の背景には、タイ国内で外国人による違法ビジネス、いわゆる「グレー資本」への反発が市民の間で高まっていることがある。政治活動家が大衆を動員し、違法行為に関わる外国人グループの国外退去を求める運動を展開したことも、政府の対応を後押しした形だ。首相はこうした市民の動きについて、国を思う気持ちの表れとして一定の理解を示している。
今後も摘発強化の方針
政府はこれまでも、不法就労や偽装事業を行う外国人グループの摘発を進めてきたが、首相の発言はこうした取り組みを一段と加速させる意向を示すものとなった。政府関係者は「該当する外国人については、証拠が整った段階で速やかに送還手続きに入る」と説明している。
タイでは近年、外国人による特殊詐欺拠点の摘発や、無許可就労の摘発が相次いで報じられており、今回の首相発言は、こうした一連の取り締まり強化の流れを象徴するものといえる。

