タイ政府がビザなし渡航の制度を大幅に見直し、本日2026年9月15日から新しい枠組みが施行された。これまで93の国・地域を対象としていた60日間のビザ免除措置が廃止され、新たに60の国・地域を対象とする30日間の免除措置に切り替わる。日本もこの30日間免除の対象国に含まれており、タイを訪れる日本人観光客やビジネス関係者に直接影響する制度改正となる。
今回の見直しでは、対象国が30日間免除の60カ国・地域、15日間免除のセーシェルとモーリシャスの2カ国、到着ビザ(VOA)扱いとなるアゼルバイジャン・ベラルーシ・セルビアの3カ国に細かく再編された。タイ内閣は2026年5月19日の閣議でこの方針を承認しており、今回はその施行日にあたる。
治安・経済・観光振興のバランスを重視
タイ政府は制度見直しの理由について、「現在の状況に適切であり、安全保障、経済、観光振興のバランスを考慮したもの」と説明している。背景には、ビザなし滞在の枠組みが不法就労や無許可の事業活動、さらには出入国を繰り返す「ビザラン」といった本来の観光目的から外れた利用に悪用されるケースが指摘されてきたことがある。
陸路国境からの入国については、年間2回を超えてタイに入国することはできないとする制限も改めて明示された。頻繁に陸路国境を出入りして滞在を延長する手法への対策とみられる。なお、9月15日より前に入国し、すでに60日間の滞在許可を得ている外国人については、当初認められた期限まで従来通り滞在が可能とされている。
日本人観光客への影響は
日本はタイにとって主要な観光客送り出し国の一つであり、長期滞在型の旅行者やリタイア後の長期滞在を検討する日本人にとって、30日間という上限は計画の見直しを迫られる要素となりそうだ。今後、長期滞在を希望する場合は、観光ビザなど別の在留資格の取得がこれまで以上に重要になるとみられ、在タイ日本人コミュニティの間でも制度の詳細を確認する動きが広がっている。