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ワット・プラマハータートが世界遺産に!タイ9件目、南部からは初の快挙

世界遺産登録の快挙を伝える地元経済紙プーチャットカーン

タイに、9つ目の世界遺産が誕生した。しかも、南部としては初めての快挙である。

7月25日、韓国・釜山で開かれていたユネスコ第48回世界遺産委員会は、タイ南部ナコンシータマラート県の「ワット・プラマハータート・ウォーラマハーウィハーン」を世界文化遺産に登録することを全会一致で決定した。タイにとっては6件目の文化遺産、通算9件目の世界遺産となる。

1,000年を超える南部仏教の中心地

ワット・プラマハータートは、ナコンシータマラート市街の中心に建つ寺院だ。その象徴が、高さ約77メートルの白い仏塔「プラボロマタート・チェーディー」である。スリランカ様式の巨大な釣鐘型の塔で、頂部は純金で覆われている。

この地はかつて、マレー半島を横断する交易路の要衝だった。インド洋と南シナ海を結ぶ人と物の流れの中で、スリランカから上座部仏教が伝わり、タイ全土へ広がっていく玄関口となった。ワット・プラマハータートは、その歴史をそのまま体現する存在である。

登録までの長い道のり

タイ政府がこの寺院の世界遺産登録を目指し始めてから、すでに10年以上が経過していた。暫定リストへの記載後、保全計画の整備や周辺環境の管理体制について、繰り返し追加の説明を求められてきた経緯がある。

今回の全会一致での決定は、その積み重ねが評価された結果と言える。

日本人旅行者にとっての価値

ナコンシータマラートは、日本人観光客にとってはまだ馴染みの薄い街だ。バンコクから飛行機で約1時間15分。プーケットやサムイ島のようなリゾートではなく、素朴な地方都市の空気が残る。

だからこそ、混雑を避けて本物の南部タイに触れたい旅行者には向いている。仏塔を囲む回廊には無数の仏像が並び、地元の人々が日常的に祈りを捧げる光景に出会える。観光地化された寺院にはない、生きた信仰の場である。

名物のカノムチーン(米麺)や、南部特有の辛いカレーも楽しみのひとつだ。世界遺産登録で今後は宿泊施設の整備も進むとみられるが、今はまだ「早いもの勝ち」の時期と言える。

南部観光の起爆剤になるか

タイ南部といえばアンダマン海側のビーチが主役で、内陸部や東海岸側は観光客の流れから外れていた。今回の登録は、その構図を変える可能性を秘めている。

タイ政府は国内旅行の振興に力を入れており、世界遺産という看板は地方分散の強力な武器になる。ビーチだけではないタイ――その顔が、また一つ増えた。

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