
タイの国営航空会社タイ国際航空は、2026年第2四半期の純利益が15億3700万バーツに達したと発表した。あわせて今年12月から始まる冬季運航ダイヤで、国際線・国内線合わせて66路線に事業を拡大する計画も明らかにした。
同社経営陣は、世界的な経済の不確実性に対応するため、事業戦略をより柔軟に調整していると説明し、財務基盤の安定維持を強調した。あわせて、保有機材を4機種に集約することで運用効率の改善を図る方針も示した。
バンコク〜ダナン線を新規開設
冬季ダイヤの目玉として、バンコクを拠点にベトナムのダナンへの新規路線を12月1日から週14便体制で開設する。CLMV地域(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)では、ビエンチャンとヤンゴンへ各週21便、シェムリアップへ週7便を運航するなど、周辺国路線の強化を進める。
欧州路線では、アムステルダムに週7便、ミュンヘンに週10便、チューリッヒに週11便、パリに週14便を配分するほか、中国の厦門への復路便を週4便で再開する計画も含まれている。
タイ観光の玄関口として存在感
タイ国際航空はバンコクのスワンナプーム国際空港を拠点に、タイを訪れる外国人観光客の重要な輸送インフラを担っている。今回発表された路線網の拡大は、コロナ禍後の観光需要回復を背景に、バンコクを起点とした国際線ネットワークの再強化を狙ったものといえる。
同社は今後も需要動向を見極めながら、機材更新や路線見直しを柔軟に進め、収益基盤のさらなる安定化を目指す方針を示している。
経営再建からの回復軌道
タイ国際航空は新型コロナウイルス禍による需要蒸発を受けて経営再建計画を進めてきた経緯があり、今回の四半期黒字は再建の進捗を示す指標の一つとして注目されている。同社は財務体質の改善とともに、老朽化した機材の更新やサービス品質の向上にも力を入れており、国際線市場での競争力回復を急いでいる。
バンコクのスワンナプーム国際空港はASEAN域内有数のハブ空港として機能しており、タイ国際航空の路線網拡大は、同空港を経由する乗り継ぎ需要の取り込みにもつながる。特に欧州路線の増便は、日本を含むアジア各国からタイを経由して欧州へ向かう旅行者の利便性向上にも寄与するとみられる。
業界関係者は、今回発表された66路線という規模について、コロナ禍前の水準に近づきつつある証左だと評価する一方、原油価格や為替の変動が引き続き収益を左右する不確実要因になると指摘している。
同社は今後、来年にかけて追加の新規就航先についても検討を進めており、タイの「観光立国」戦略を航空面から支える役割を強めていく方針を示している。