
燃え切ったはずなのに、まだ終わっていなかった。
バンコク都心のラーマ6号通りで発生した建物火災で、消火活動が一段落した後も危機が続いている。当局は8日、建物の一部の構造に亀裂が入り、二次崩壊の危険性があることを確認した。周辺住民への避難警告が継続中で、消防・当局が対応に追われている。
■ 火は収まったが、建物が「死にかけている」
この火災は数日前に発生。鉄筋コンクリート造の建物が大規模な延焼に見舞われ、複数のフロアが焼失した。消火活動は10時間以上に及んだが、燃焼によって構造体が弱体化したとみられる。エンジニアが現場を点検したところ、主要な柱と梁に亀裂が確認された。
タイの建築専門家はメディアに対し「高温にさらされたコンクリートは急激に強度が落ちる。余震のような外部衝撃が加わると倒壊の可能性もある」と警告。当局は建物から半径50メートル以内の立ち入りを禁止している。

■ 周辺住民「夜も眠れない」、SNSには写真が拡散
現場周辺では住民がスマホで亀裂の入った建物を撮影し、Facebookに投稿。「こんな状態の建物がまだ立っている」「いつ崩れるのかと思うと怖くて仕方ない」「もし崩れたら通行人が危ない」といったコメントが多数寄せられた。
地元住民は「とにかく早く対処してほしい。子供を連れて外を歩けない状況だ」と訴える。近隣の商店でも客足が遠のいており、経済的な打撃も出始めている。
■ 当局は解体の可能性も検討中
当局は現在、建物の完全解体も含めた対応策を検討中だという。ただし、都市部での解体作業は周辺への影響が大きく、慎重な計画が必要だ。バンコク都市局の担当者は「安全を最優先に対処する。詳細な調査結果をもとに今週中に方向性を決定する」と述べた。
消えた炎の代わりに、今度は「崩壊の恐怖」が住民を苦しめている。いったいいつになったら終わるのか——答えは、まだ誰も知らない。
