ネスレ(タイランド)は、ネスカフェブランドとして初めてのドリップバッグコーヒー「ネスカフェ ロースタリー ドリップコーヒー」をタイで発売した。タイ北部の社会事業として知られるドイトゥン開発プロジェクトと組み、ナーン県とチェンライ県で育てたタイ産アラビカ種の豆を100%使う。1万箱限定で、10月中に販売する。
タイ紙ポストトゥデイによると、1箱5袋入りで価格は250バーツ(約1200円)。1袋あたり50バーツ(約240円)の計算だ。販売はネスカフェの公式ストアがあるショッピングサイトのShopee、Lazada、TikTokに限られる。10月1日の「国際コーヒーの日」に合わせた商品で、10月1日から31日までの売上金は、経費を差し引かずに全額をタイの慈善団体ミラー財団に寄付し、9月の洪水で被害を受けた住宅や施設の修復に充てる。
果実のような香りの浅中煎り
豆は、果肉を一部残して乾燥させる「ハニー製法」と水洗式を組み合わせて精製した。焙煎は浅めから中程度で、強さの目安は「3」。柑橘類やドライフルーツ、黒糖を思わせる風味が特徴だという。ドイトゥンが栽培と豆の選別を担った。
ネスレ(タイランド)コーヒー事業のオスマン・シュライバー社長は、タイ産コーヒーの価値を高め、農家の生活向上に貢献する取り組みだと説明した。
伸びるタイのレギュラーコーヒー市場
同社が引用した英調査会社ユーロモニターのデータによると、タイの焙煎・粉コーヒー市場は2025年に約520億バーツ(約2400億円)規模に達した。コーヒー市場に占める比率は22年の21.7%から25年には30.7%に上がり、最も伸びている分野だという。インスタントコーヒーで知られるネスカフェが、手軽に本格的な味を楽しめるドリップバッグに参入したことは、タイの消費者の好みの変化を映している。
タイ北部のコーヒーは、日本のカフェでも見かけるようになった。オンライン限定のため日本から直接買うのは難しいが、タイ在住者や旅行中の人には、限定品のおみやげとしても選択肢になりそうだ。