
タイ警察は6月7日、日本国内の多数の被害者から数十億円を騙し取ったとされるコールセンター詐欺グループの主犯格の日本人男性、ササキ(39)をバンコク都内トンローで逮捕した。男はタイに拠点を置き、日本向けの詐欺電話を組織的に運営していたとみられ、逮捕の報を受けた日本の警察当局も情報共有のため連絡を取っている。
タイ警察サイバー犯罪捜査局(CCIB)によると、逮捕された男は日本語が堪能な人物を雇い入れ、「金融庁」「警察署」「NHK」などの公的機関や報道機関を名乗って日本の高齢者らに電話をかけさせる手口を使っていた。被害者に「あなたの口座が犯罪に使われています」「今すぐ現金を移さないと逮捕される」などと脅迫し、現金や電子マネーをだまし取っていたという。
拠点となったのはバンコク都心の日本人居住区トンローにある高層コンドミニアム。捜索で押収されたのはパソコン200台以上、スマートフォン多数、偽造の公務員バッジ、日本語スクリプト集、被害者リストなど膨大な量に上った。グループは約60人規模で運営されていたとされ、日本語話者のほか、フィリピン人やミャンマー人の通訳役も含まれていたという。
タイ警察はさらに「この男の上にも首謀者がいる可能性が高い。資金の流れや国際的なネットワークについて引き続き捜査を進める」と表明。共犯者とみられる十数人についても逮捕状を取得中で、「タイ国内のコールセンター詐欺壊滅に向けて全力を挙げる」と強調した。
日本の警察庁は「タイ当局の迅速な対応に感謝する。今後も緊密に連携し、被害の全容解明と被疑者の身柄引き渡しに向けて協力していく」とコメントしている。日本国内の特殊詐欺被害は依然として年間数百億円規模で、タイやフィリピンなど東南アジアに拠点を置くグループによるものが多いとされており、今回の逮捕は日本国内でも大きく報じられる見通しだ。