
バンコク・ラーチャテーウィー区のアパートで、あまりに凄惨な事件が発覚した——。
「異臭」と「連絡が取れない」、親族の通報がきっかけ
6月12日、ラーチャプラロップ通り14横丁(マッカサン地区)のアパートで、ミャンマー人女性の遺体がバラバラにされ、黒いプラスチック製の大型収納ボックスに詰め込まれた状態で見つかった。発覚のきっかけは、被害者と連絡が取れなくなったことを心配した親族の男性(アウン・ミョー・ウィンさん)が、ディンデーン警察署を訪れ捜索を依頼したことだった。警察官とともにアパートを訪れたところ、室内には激しい争いと物色の跡があり、ベッド脇のベランダから異臭が漂っていた。確認すると、ふた付きの黒いプラスチックボックスが置かれており、中からビニールに包まれた遺体が見つかった。
首、両腕、両脚を切断…数日前に死亡か
警察関係者によると、遺体は首と両腕が肩の部分から切り取られ、両脚も膝の部分で切断されていた。両太ももにも切断を試みた跡とみられる深い傷があり、腹部も切り開かれていた。死亡から数日が経過していたとみられ、見つかっていない体の一部の捜索も続けられている。
被害者はクロントイ地区のレストラン店員、34歳
DNA鑑定などによる正式な身元確認はラマティボディ病院の法医学チームの結果待ちだが、警察は被害者を、このアパートの契約者であるミャンマー人女性アエアエニュエさん(34)とみている。バンコク・クロントイ地区のレストランでウェイトレスとして働いていたという。
「夫」はペッチャブリー通りのパブのコック、行方を追う
警察が行方を追っているのは、被害者の夫とみられるミャンマー人の男アウンピャエさん。ペッチャブリー通り付近のパブでコック(調理担当)として働いていたという。事件発生前後の防犯カメラには、男が大型のスーツケースを引いてアパートから出て行く姿が記録されていた。警察は現場に残された刃物などの物証の分析を進めるとともに、男の立ち寄り先や交友関係を中心に行方を追っている。
捜査関係者「痴情のもつれ」が背景か
捜査関係者は、事件の背景には「妻が新しい男性と交際していたことに気づいた夫が凶行に及んだのではないか」とする見方を示している。一方で、2人の間には経済的なトラブルもあったとの情報もあり、警察は痴情と金銭の両面から詳しい経緯を調べている。
SNSでは
事件はSNS上でも大きな反応を呼んでいる。
・「同じ国の人同士でこんなことになるのは本当に悲しい」
・「異臭で気づかれるまで誰も異変を感じなかったことが怖い」
・「外国人労働者の安全対策やコミュニティでの見守りも必要では」
といった声が相次いで投稿されている。
外国人労働者が多く暮らす地区、地域には動揺も
マッカサン周辺はミャンマー人をはじめ多くの外国人労働者が暮らすエリアでもある。今回の事件を受け、同じ建物や近隣に住む外国人労働者の間には動揺が広がっており、支援団体の関係者は「個別の事件とコミュニティ全体への偏見は分けて考えるべきだ」と訴えている。警察は今後、司法解剖の結果を踏まえて正式な死因や犯行時刻を特定するとともに、容疑者の身柄確保に全力を挙げる方針だ。