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タイ政府、屋上太陽光の家庭向け買取枠を5倍の500メガワットに拡大

タイのエーカナット・エネルギー相は8月29日、家庭・民間向けの屋上太陽光発電による売電購入枠を、現行の100メガワットから500メガワットへと5倍に拡大すると発表した。再生可能エネルギーの普及を後押しする狙いだ。

新制度では、1世帯あたりの導入上限は5キロワット。自家消費のみを目的とする申請は7日以内、余剰電力の売電を伴う申請でも30日以内の承認を目指すという。想定される月間収入は1,400〜1,500バーツで、契約期間も従来の10年から延長される見通しだ。

手続きの長期化が普及の壁に

これまでタイでは、屋上太陽光の売電契約手続きに1年以上を要するケースが珍しくなく、これが個人・家庭レベルでの導入拡大を妨げる要因の一つとされてきた。エネルギー省は今回、「ワンストップ・サービス」を導入し、申請から承認までの期間を大幅に短縮する方針を示している。

タイ政府はかねてエネルギー自給率の向上と脱炭素化を経済政策の柱の一つに掲げており、今回の措置もその一環と位置づけられる。家庭部門での太陽光発電の普及が進めば、電力需要のピーク時における系統への負荷軽減にもつながると期待されている。

設置業者にも追い風

買取枠の拡大は、タイ国内の太陽光パネル設置業者や関連機器メーカーにとっても追い風となりそうだ。個人住宅向けの導入需要が高まれば、施工・保守を担う中小事業者の受注増加も見込まれる。今後は制度の詳細な運用ルールの公表と、実際の申請受付開始時期が焦点となる。

タイでは近年、電気料金の上昇や気候変動対策への意識の高まりを背景に、家庭部門でも太陽光発電への関心が高まっている。一方で、初期投資費用の負担や、既存の電力網との接続にかかる技術的な調整が、これまで普及の壁となってきた面もある。

エネルギー省関係者は「ワンストップ化によって申請者の負担を大幅に減らし、より多くの世帯に制度を利用してもらいたい」としている。バンコク近郊だけでなく地方部でも導入が進めば、タイ全体のエネルギー自給率向上に寄与すると期待されている。

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