オーストラリアの民間シンクタンク、ローウィー研究所は、アジア27カ国・地域の相対的な力を評価した最新の「2025年度版 アジア・パワー・インデックス」を公開しました。2024年の調査でトップ10から転落したタイは、今回の調査でも11位となり、以前のような勢いを取り戻せていない現状が浮き彫りとなりました。
1. タイの現状:マレーシアに次ぐ11位が定着
タイは今回の調査でも総合11位となりました。2024年調査でマレーシアに抜かれ、初めてトップ10圏外へ沈んで以来、その順位が固定化されつつあります。 項目 2025年(最新) 2024年(前回) 傾向 総合順位11位 11位 横ばい 文化的影響力 8位 8位 安定 経済的関係 7位 7位 安定 将来の資源 17位 16位 下落 タイの強みは依然として「経済的関係」と「文化的影響力」にありますが、深刻な少子高齢化を背景とした「将来の資源」のスコアが年々低下しており、これが総合順位の足を引っ張っています。一方、10位のマレーシアはデジタル経済への転換と資源価格の安定を背景に、タイとの差を広げつつあります。
2. 「アジア3強」の誕生:インドが日本を突き放す
2024年の最大ニュースであった「インドによる日本の逆転(3位浮上)」は、2025年〜2026年の最新データでさらに確固たるものとなりました。
- 3位 インド(39.1点 → 上昇傾向): 人口ボーナスと外交的発言力の高まりにより、米国・中国に次ぐ「主要国(Major Power)」としての地位を固めました。
- 4位 日本(38.9点 → 下落傾向): 防衛ネットワークや経済能力では依然として高い信頼を得ていますが、成長性の低さが響き、前回調査に続き4位に留まりました。
3. 総合ランキング:上位12カ国の推移
2024年と2025年の調査結果を比較すると、アジアの勢力図がより明確に「米中印」の3軸にシフトしていることが分かります。
- 米国(圧倒的首位、防衛ネットワークが最強)
- 中国(経済能力と外交で2位を維持)
- インド(2024年に日本を逆転し、3位をキープ)
- 日本(信頼性は高いが、相対的なパワーは低下)
- オーストラリア
- ロシア(北朝鮮との軍事連携強化によりスコアが微増)
- 韓国
- シンガポール
- インドネシア
- マレーシア(2024年にタイを逆転し、10位を死守)
- タイ(11位)
- ベトナム
4. まとめ:タイが再びトップ10へ返り咲くには
2024年から2026年にかけての推移を見ると、タイは「観光」や「既存のサプライチェーン」という伝統的な強みだけでは、近隣諸国の追い上げをかわしきれなくなっています。
同研究所の分析では、タイがトップ10に復帰するためには、AIや次世代自動車(EV)産業などの新分野での経済的影響力の拡大、および人口減を補う生産性の向上が不可欠であると指摘されています。
アジアのパワーバランスが激変する中で、タイがどのように「効率的なミドルパワー」としての存在感を示し続けるのか、2027年以降の動向が注目されます。
日刊タイニュース編集部より:
2024年の調査で11位に転落した際の衝撃は大きかったですが、今回の結果はそれが一時的なものではなく、地域の構造変化であることを示唆しています。ビジネスの現場でも、マレーシアやベトナムの台頭を肌で感じる場面が増えているのではないでしょうか。
今回のランキング結果を受けて、特に気になる国や項目(軍事力、経済力など)はありますか?