日本の愛知県名古屋市を中心に開催された第20回アジア大会(アジア競技大会)で、タイ代表の陸上短距離選手プーリポン・ブンソン選手(愛称ビウ)が大会MVPに選出された。タイ、そしてアジアの陸上選手として大会史上初のMVP受賞となる快挙だ。
プーリポン選手は男子100メートルと200メートルの両種目で金メダルを獲得し、いずれもアジア大会新記録を樹立する走りを見せた。さらに4×100メートル混合リレーでも銀メダルに貢献するなど、今大会の陸上競技で圧倒的な存在感を示した。MVPはアジア・オリンピック評議会(OCA)が選考し、賞金2万5000ドル(約375万円)が贈られた。タイの陸上短距離種目でここまでの成績を収めた選手は過去に例がなく、タイ陸上界にとって歴史的な大会となった。
名古屋の舞台で掴んだ栄光
開催地の名古屋は、日本のものづくりの中心地として知られるが、今大会では陸上競技を含む各種目の舞台としても世界中から注目を集めた。タイ選手団にとって日本での大会は、移動や気候の面でも比較的なじみやすい条件だったとされ、プーリポン選手も「万全の状態で走ることができた」と充実した表情を見せていたという。現地で声援を送った在日タイ人コミュニティの観客からも、歴史的な瞬間を目撃できたと喜びの声が上がった。
タイ国内では歓喜の声、2028年ロス五輪へ視線
MVP受賞と2種目での金メダル、アジア新記録という成績は、タイ国内でも大きな反響を呼び、SNS上ではファンから祝福のコメントが相次いだという。プーリポン選手本人は「大変光栄で、自分自身だけでなくタイ国民全体への賞だと思う」とコメント。「自分の夢や目標を超える結果になった」と振り返った。指導陣からも「これまでの努力が結果に結びついた、まさに完璧なレースだった」との評価が寄せられている。
今回の金メダル獲得は、同時に2028年ロサンゼルス五輪の出場権獲得にもつながったとみられ、タイ陸上界にとって大きな弾みとなる。アジア大会は今大会で日本から次回開催国のカタールへと旗が引き継がれており、プーリポン選手がロサンゼルスの大舞台でどのような走りを見せるか、今後の国際大会でも注目が集まる。日本との縁が深まった今回の活躍を機に、今後は日本国内の陸上競技大会への招待出場なども期待されるところだ。