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タイでアメリカン・エキスプレスが大手3行と提携、会員の来訪は3年で47%増

訪タイ外国人の数が伸び悩むなかで、支出の中身は静かに変わっている。アメリカン・エキスプレスがこのほど公表したデータによると、同社カード会員のタイ来訪は2023年から2025年にかけて47%増加し、同期間の支出額は23%、旅行予約件数は28%それぞれ伸びた。

人数は減っても、使う人はより多く使う。タイ観光のいまを象徴する数字である。

上半期の訪タイ客は1587万人、前年同期比3.2%減

前提となる全体像はやや厳しい。2026年上半期にタイを訪れた外国人旅行者は1587万人で、前年同期比3.2%の減少となった。減少分の大半はアジア太平洋地域からの旅行者で、中東情勢による航空便の減少と運賃上昇が影響したとみられている。

ただしタイ国家経済社会開発委員会(NESDC)の調査によると、旅行者1人あたりの支出配分は新型コロナ流行前(2017〜2019年平均)と比べて変化している。宿泊施設、飲食店、観光サービスへの支出が増えており、「より多くの体験を求める傾向」が鮮明になった。

買い物中心から体験中心へ。この転換は、日本人旅行者のタイでの過ごし方にも当てはまる。

カシコン、クルンシー、SCBと組んで加盟店を拡大

アメリカン・エキスプレスは今回、タイの大手3行――カシコン銀行、クルンシー銀行、サイアム商業銀行(SCB)――とのパートナーシップを発表した。バンコク、プーケット、サムイ島、パタヤ、チェンマイの5エリアで、カードを使える加盟店を広げる計画だ。

同社のウスマン・アリフ副会長兼アジア太平洋地域統括責任者は、タイ市場の位置づけをこう語る。

「タイは当社の会員にとって、変わらず人気の高い目的地です」

さらに提携の狙いについて「最も強い協力とは、関係するすべての人に価値をもたらすものです」と述べ、ミレニアル世代とZ世代の需要の伸びに対応する姿勢を示した。

日本人旅行者にとっての実利

タイでは長年、アメリカン・エキスプレスが使える店舗がVisaやMastercardに比べて限られ、地方に出ると現金かQR決済に頼らざるを得ない場面が多かった。今回の加盟店拡大が進めば、プーケットやサムイ、チェンマイといった日本人に人気の目的地で、カードの選択肢が広がることになる。

もっとも、タイの決済環境の主役はいまやプロンペイ(PromptPay)を軸にしたQRコード決済だ。屋台や個人商店ではQRのみという店も珍しくない。カードの守備範囲が広がっても、少額の現金とQR決済の準備は引き続き必要になる。

訪問者数が減った年に加盟店網へ投資する。カード会社の読みは、頭数ではなく1人あたりの単価に置かれている。

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