タイ南部のリゾート地プーケット県で、コンドミニアム(分譲マンション)市場が再び活気づいている。不動産サービス大手CBREの調査によると、2026年上半期にプーケットで新たに売り出されたコンドミニアムは、25年下半期比で44.8%増えた。物件の販売は前年同期比45%以上伸び、買い手の約67%を外国人が占めた。タイ人は約33%だった。
需要が強いのは高級物件や、ホテルブランドを冠した「ブランデッド・レジデンス」だ。別荘として使う層に加え、賃貸に出したり保有したりする投資目的の買い手も多い。一方、上半期に完成した物件は3棟・1196戸にとどまり、前期比56.8%減った。工事の遅れが響いたという。
人気エリアと買い手の国籍
不動産サービス大手コリアーズ・タイランドによると、21〜25年にプーケットで売り出された住宅は4万5066戸、総額4697億2000万バーツ(約2.2兆円)に上る。主な立地は島の西海岸のバンタオ、チューンタレー、レイアン、カマラのほか、南部のラワイ、カタ、カロン、プーケットタウンだ。買い手はタイ人のほか、ロシア、オーストラリア、インド、中国、カザフスタンの国籍が多く、中東からの需要も増えている。
ただし、供給過剰を警戒する声もある。経済紙クルンテープトゥラキットが報じたタイ不動産情報センター(REIC)の調査では、プーケットの売れ残り在庫は上半期に1万7000戸を超えた。コンドミニアムの在庫は1万3000戸超で、半年間の販売消化率は約2.2%にとどまる。一戸建ては消化に最長72カ月かかるとの試算だ。REICのシッティペン氏は「販売の数字は今日の姿だが、新規供給は明日の課題だ」と述べた。
日本人が購入する前に確認したいこと
タイでは外国人は原則として土地を所有できないが、コンドミニアムの区分所有は認められている。ただし1棟の総床面積のうち外国人が持てるのは49%までで、人気物件では外国人枠が先に埋まる場合がある。購入代金は外貨で海外からタイに送金する必要があり、送金時の証明書類が所有権の登記に使われるため、手続きを事前に確認しておきたい。
賃貸運用を考える場合は、管理費や空室リスク、短期貸しに関する規制も確認が必要だ。プーケット空港の国際線利用者は上半期に439万人と前年同期比1.4%減り、ホテル稼働率も低下した。観光需要の動向は賃料に直結する。完成の遅れが目立つなか、未完成物件を買う場合は開発会社の実績を見極めることが大切だ。移住や長期滞在の拠点として購入する人は、まず賃貸で数カ月暮らし、エリアの住み心地を確かめてから決める方法もある。