
バンコクの公共交通が、スマートフォンのタッチ決済でさらに使いやすくなった。サムスン電子のモバイル決済サービス「サムスンウォレット」が、高架鉄道BTS、バス高速輸送システムBRT、チャオプラヤー川の水上急行ボートで利用できるようになったと20日付でタイのメディアが報じた。対応するギャラクシー端末があれば、スマホを改札やカードリーダーにかざすだけで乗車できる。
これまでバンコクの公共交通を使うには、専用ICカード「ラビットカード」を購入するか、都度現金で乗車券を買う必要があり、短期滞在の旅行者にとっては小さな手間だった。今回の対応により、日本からの旅行者もサムスンウォレットを設定済みのギャラクシー端末があれば、現地でカードを買う行列に並ばずに済むようになる。鉄道とバス高速輸送システム、水上ボートの3つの交通手段をまとめて使える点も大きい。
年内にMRT・バスにも拡大予定
現時点ではBTS、BRT、水上急行ボートが対象で、地下鉄MRTと路線バスへの対応は今年中を目指すとされている。バンコクの移動は鉄道とバスを乗り継ぐことが多いため、全交通機関で同じ決済手段が使えるようになれば、観光客だけでなく通勤・通学で使う在住者の利便性も一段と高まる。
iPhone勢はどうするか
一方でアップルのアイフォーンはサムスンウォレットを使えないため、当面はラビットカードの購入や、国際ブランドのタッチ決済対応クレジットカードをそのまま改札にかざす方法が現実的だ。すでにビザやマスターカードのタッチ決済に対応した改札も広がっており、対応端末や対応カードを事前に確認しておくと、到着後の移動がスムーズになる。
バンコクの都市交通は、BTS・MRT・バス・水上ボートと事業者が分かれているため、料金体系や乗り換えが分かりにくいと感じる旅行者も多い。タッチ決済対応が広がることで、事業者ごとに別のカードや現金を用意する手間が減り、初めてバンコクを訪れる人でも迷いにくくなる効果が期待される。特に雨季の時期は道路の渋滅を避けて水上ボートを使う場面も多く、鉄道と船を同じ決済手段で使えることは移動計画を立てやすくする。
タイ在住の日本人にとっても、通勤や通学で複数の交通機関を乗り継ぐ場合、サムスンウォレットなどのタッチ決済に一本化できれば、カードの残高管理やチャージの手間を減らせる利点がある。今後MRTや路線バスへの対応が完了すれば、バンコク都内のほぼすべての移動がスマートフォン一つで完結するようになり、長期滞在者の生活の質にも直結する変化といえそうだ。