タイ南部の人気リゾート地プーケットで、住宅の賃貸需要が過熱している。不動産情報サービスREIC(不動産情報センター)によると、2026年上半期のプーケットにおける住宅所有権移転件数は5,780件で、前年同期比14%増となった。タイへの移住や長期滞在を検討している日本人にとって、プーケットの住宅費がどの程度かを知っておくことは、生活コストを見積もるうえで参考になる。
大手デベロッパーのスパライが手掛けるテープカサトリー地区の一戸建て住宅では、物件によって粗利回り(管理費や税金を含まない表面利回り)が10%を超えるケースもある。例えば、約300万バーツ(約1410万円)のタウンハウスは月額賃料約3万6000バーツ(約17万円)で粗利回り約14.4%、500万〜600万バーツ(約2350万〜2820万円)の二戸一住宅は月額賃料約5万バーツ(約24万円)で約10〜12%、約1000万バーツ(約4700万円)の一戸建ては月額賃料10万バーツ(約47万円)で約12%という。
高級ヴィラ需要、長期滞在の外国人が後押し
サンシリが展開するバンタオや海沿いエリアの高級ヴィラでは、1戸あたり4000万バーツ(約1億8800万円)規模の物件で、1年契約の長期リースなら月額30万〜40万バーツ(約141万〜188万円)、3カ月程度の短期リースでは月額60万〜70万バーツ(約282万〜329万円)に達する例もあり、ネット利回りは6〜8%とされる。賃貸の主な需要層は、プーケットに移住した外国人労働者や長期滞在者、年の一部をヴィラで過ごし残りの期間を賃貸に出す富裕層の外国人買い手だという。サンシリの買い手の国籍別では、ロシアが31%、中国が12%、イスラエルが8%を占め、賃借人としては地元での生活を体験したいスカンディナビア諸国の人が多いとされる。
移住を検討する際のポイント
プーケットは島のため開発用地が限られており、デベロッパー各社はこれが資産価値を支える要因だと説明する一方、土地価格の上昇や供給の制約はリスクとしても挙げられている。SCアセットは2027年にバンタオで新たなコンドミニアム開発を計画しており、現地在住者や地元客も含めた「手の届きやすい価格帯」を狙う方針を示している。これからプーケットへの移住や長期滞在を考える場合、物件タイプや契約期間によって賃料水準が大きく異なる点を踏まえ、複数のエリア・物件タイプで相場を比較しておきたい。