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中国の長安汽車、タイ初のEVバッテリー修理拠点を開設 「壊れたら交換」の時代が終焉

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電気自動車(EV)のバッテリーが不調になったら、丸ごと交換するしかない――その常識が、タイで崩れようとしている。7月31日、中国の長安汽車(CHANGAN)が、電池最大手CATLのサービス部門「NING SERVICE by CATL」と組み、タイ国内初となるEVバッテリー・eドライブ専門サービスセンターの開設を発表した。中国国外では初の拠点となる。

第1期投資は3000万バーツ

長安汽車の顧客体験担当副社長、マー・ジエンヨン氏は「このバッテリー・eドライブサービスセンターは、長安にとって中国国外で初めての、バッテリーとeドライブシステムに特化した総合拠点だ」と説明する。

第1期の投資額は3000万バーツ。中国からEVバッテリーの整備・修理に用いる専用機器と工具を持ち込み、タイ人技術者の研修をすでに開始している。営業開始は8月中の予定だ。

対象となるのは長安グループの全ブランド。アバター(AVATR)、ディーパル(DEEPAL)、ルミン(LUMIN)、そしてNEVOのユーザーがカバーされる。

なぜ「修理できる」ことが重要なのか

EVの購入をためらう最大の理由のひとつが、バッテリーの寿命と交換費用である。駆動用バッテリーは車両価格の3〜4割を占めることもあり、パック丸ごとの交換は事実上の買い替えに近い出費になる。

これに対し、セル単位・モジュール単位の診断と修理ができる拠点があれば、不具合箇所だけを直して費用を大幅に抑えられる。中古EVの残価にも直結する話であり、市場全体の信頼性を左右する。

長安汽車東南アジアのカスタマーオフィサー兼副社長、ウー・シャオカン氏はこう述べる。「単に電気自動車を修理するのではない。アフターサービスへの信頼を届け、長安のEVを使い続ける安心を作っている」

NING SERVICEの海外チャネル・ネットワーク担当副総経理、グオ・ユー氏も「CATLの技術的強みと長安の経験を組み合わせ、タイの長安EVユーザーが高品質な整備を最速で受けられるようにする」と語った。

タイがEVアフターサービスの拠点になる

中国国外で最初の拠点にタイが選ばれた事実は重い。タイは東南アジア最大級のEV市場であり、中国メーカーにとってグローバル展開の主要拠点と位置づけられている。中国大使も先日、「タイは長期的なEV開発の基盤」と明言している。

一方、タイの自動車部品業界には危機感も強い。タイサミットら大手6社は「EV時代の空洞化」への対応を政府に求める緊急連合を結成しており、国内メーカーが整備・修理の分野でどこまで技術移転を受けられるかが焦点になる。

タイのEV普及率は、いま「買う」段階から「使い続ける」段階へ移りつつある。勝負が決まるのは、ショールームではなく整備工場のほうだ。

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