タイで11月1日から、オンライン広告に関する新しい規制法が施行される。SNSやデジタル広告プラットフォームを運営する事業者に対応を求める内容で、交流サイト大手メタ(旧フェイスブック)は、タイの規制に対応できるとの見解を示している一方、他のプラットフォーム事業者からは具体的な対応方針がまだ示されていないという。
新法は、タイ国内で配信されるオンライン広告の透明性や消費者保護の強化を目的としているとみられ、詐欺的な広告や虚偽表示を含む広告への対策強化が念頭にあるとされる。タイでは近年、SNS上の偽広告を通じた投資詐欺やなりすまし広告の被害が社会問題となっており、今回の規制強化もこうした流れを踏まえたものとみられる。
プラットフォーム事業者の対応にばらつき
メタは、タイの新しい規制要件に対応できる体制を整えているとの立場を示している。一方で、他の主要なデジタル広告プラットフォームからは、施行までの対応方針が明確に示されていない状況が続いており、11月1日の施行時点でどこまで実務対応が整うかは不透明な部分も残る。タイ国内で広告事業を展開する企業や、SNSで商品・サービスを宣伝するタイ進出日系企業にとっても、今後の運用ルールの詳細を注視する必要がある。
SNS詐欺対策の一環という見方も
タイでは、著名人や企業ロゴを無断で使った投資詐欺の広告、偽のオンラインショップ広告などがSNS上に大量に出回り、被害に遭う利用者が後を絶たない問題が続いている。今回の規制強化は、こうした広告の出し手に一定の責任を課し、プラットフォーム側にも対応を求める狙いがあるとみられる。施行直後は広告審査の厳格化によって、正規の事業者による広告出稿にも一時的な影響が出る可能性があり、タイでSNS広告を活用する企業は早めの情報収集が欠かせない。
タイ政府は近年、デジタル分野での消費者保護や詐欺対策を強化する方針を相次いで示しており、今回の広告規制法もその一環と位置付けられる。施行後の運用状況によって、SNSを使った広告展開の実務にも影響が及ぶ可能性がある。