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タイ北部ランプーンで中国人女性を拉致、国境へ連れ去ろうとした2人逮捕

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走行中の車から飛び降り、自力で逃げ出した中国人女性観光客。彼女を救ったのは、通りかかった市民の機転だった。タイ北部ランプーン県リー郡で9月29日午前7時30分ごろに起きたこの事件で、タイ観光警察と第5地域警察は10月24日までに関係者2人を逮捕した。

タイ北部ランプーンで中国人女性を拘束、国境へ連れ去ろうとした2人逮捕
※画像はイメージです(AI生成)

被害者の中国人女性は、「タイに来れば誰かが迎えに来る」と告げられて入国させられたとされる。だが車に乗せられた後の状況は一変した。見張り役が隣に座り、携帯電話を取り上げられ、外部との連絡を一切禁じられたという。

裏道を使い、車両を乗り換えて検問を回避

犯行グループは、国境地域の地理に詳しいとされる集団だった。裏道を使い、途中で車両を乗り換えながら警察の検問を避けていたという。身の危険を感じた女性は、走行中の車から飛び降りるという決死の行動に出た。負傷しながらも通りかかった市民に助けられ、病院に搬送された。女性が自力で危険を知らせたことで、事件はリー警察署に通報され、グループの追跡が始まった。

犯行グループはその間に、女性の所持品を持って逃走していたとされる。普段は農業を営み、農閑期に国境地帯で人を運ぶ仕事を請け負っていたという供述もあり、1回あたり5000~1万5000バーツ(約2万3000~7万円)の報酬で役割に応じて動いていたとみられている。

チェンマイで観光中に身柄確保

容疑者の1人、スウィット容疑者はターク県メーラマート郡で逮捕された。もう1人のアヌポン容疑者は、事件後にのうのうとチェンマイ市内で観光を続けていたところ、チェンマイ県ドイサケット郡で発見され、逮捕された。「まさか観光中に捕まるとは」という周辺の声も伝えられている。

観光警察と第5地域警察は、指示役や他の関与者を特定するため、証拠収集と捜査の拡大を進めている方針だ。タイ北部の国境地域では、外国人観光客を標的にした同種の事件がたびたび報告されており、当局は入国後の移動経路について注意を呼びかけている。

タイ北部の国境地域では、外国人観光客を狙った同種の拘束・恐喝事件が過去にも報告されており、観光警察は入国後の移動手段や宿泊先について、できるだけ正規の旅行会社やホテルを通じて手配するよう呼びかけている。今回のように身の安全を守るため車から飛び降りるといった行動に出るケースもあり、当局は不審な状況に気づいた際の緊急連絡先の周知にも力を入れているという。

「人を運ぶ仕事」という名の加担

逮捕された容疑者の供述からは、国境地域に住む住民が、観光や農業の合間に報酬目的で人身売買的な「運び屋」業務に加担している実態が浮かび上がる。農閑期の収入源として安易に引き受けるケースが、結果として重大犯罪への加担につながっている構図だ。タイ当局は今後、こうした国境地域の住民への啓発活動や、摘発の強化を進める方針とみられる。

タイ国内の人権団体も、こうした人身取引的な事件が後を絶たないことについて懸念を示しているとされ、国境地域での監視体制の強化や、被害を受けた外国人観光客への支援体制の整備を政府に求める声も出ているという。

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