タイ大手カシコン銀行(Kasikornbank)は2026年9月4日、中小企業・起業家の支援を目的とした新プロジェクト「Roadmap for Growth」を発表した。タイ国内の商工団体・政府機関6団体と連携し、企業ごとに合わせた成長支援を展開する体制を整えた。
提携する6団体は、タイ国際貿易促進局(DITP)、タイ商業会議所、タイ工業連盟(FTI)、デジタル経済振興庁(depa)、国家イノベーション庁(NIA)、タイ気候ビジネスネットワーク(ThaiCBN)。貿易促進・産業振興・デジタル化・イノベーション・気候対応という異なる分野の専門機関が一堂に会し、中小企業支援の枠組みを構築した点が特徴だ。
プログラムの内容
「Roadmap for Growth」では、参加企業ごとの個社別診断を実施した上で、専用ワークショップの提供、個別の成長ロードマップの策定、さらに導入後の継続的なモニタリングまでを一貫して支援する。支援の重点分野は、国内外での市場開拓、業務のデジタル化、技術革新(イノベーション)、そしてサステナビリティ(持続可能性)対応の4つである。
中小企業が抱える課題
カシコン銀行のピパットポン・プーシャノン最高経営責任者(CEO)は、多くのタイの中小企業が、新規市場への浸透の難しさ、デジタル技術の活用不足、サステナビリティへの移行という3つの課題に直面していると指摘した。今回のプログラムは、大手銀行が単独で融資を提供するだけでなく、貿易・産業・デジタル・イノベーション・気候関連の各専門機関と横断的に連携することで、中小企業の経営基盤強化を後押しする狙いがある。タイ経済において中小企業は雇用の大部分を支える存在であり、6団体を巻き込んだ包括的な支援体制の構築は、今後のタイ産業界の競争力強化に向けた重要な取り組みとなる。