
中秋節を控えたタイの首都バンコクで、老舗ホテルやカフェチェーンが趣向を凝らした月餅の新商品を相次いで発売している。伝統的な蓮の実あんから、タイらしいドリアン味、抹茶やコーヒー風味まで、バラエティに富んだラインナップが消費者の目を引いている。
バンコク都内の高級ホテルでは、老舗のディ・アテネ・ホテルが趣向を凝らしたシグネチャーボックス入りの月餅を用意したほか、デュシタニ・バンコクはヤムウン(タイ風の甘い菓子)風味、黒ゴマ、カスタードといった新作3種類を売り出した。シャングリラ・バンコクも、アーモンドや、タイならではのドリアンと塩漬け卵黄を組み合わせた味など4種類を展開している。
カフェチェーン大手スターバックスは、コーヒーや抹茶風味の月餅に加え、タイ人に人気の高いドリアンとカスタードを組み合わせた新作を投入した。ベーカリーブランドのザ・ローリングピンもピスタチオやラズベリーなど4種類を用意し、タイ茶をイメージした味を手掛けるブランドも登場するなど、各社が独自色を打ち出している。
タイは中華系住民が多く、中秋節は華人コミュニティを中心に古くから親しまれてきた行事だ。近年はSNS映えする見た目やユニークなフレーバーを競う「月餅商戦」がバンコクの風物詩となりつつあり、伝統的な蓮の実や小豆あんだけでなく、ドリアンやタイ茶といったタイならではの素材を取り入れた商品が年々存在感を増している。
各ブランドの月餅は、バンコク都内の百貨店やホテルのベーカリーショップなどで販売されており、贈答用としても人気が高い。中華系の伝統行事とタイの食文化が融合した新作月餅の数々は、今年も多くの消費者の食卓を彩りそうだ。