タイ国境フェンス計画、南北国境強化が本格化

タイ軍は東部チャンタブリー県のカンボジア国境沿いにおける国境フェンス建設工事を着実に進めていることを明らかにした。越境犯罪・密輸対策を主な目的とするこの取り組みは、南部ナラティワートのマレーシア国境フェンス計画とも連動し、タイが南北両方向の国境管理を本格化させていることを示している。

タイ軍第2旅団の発表によれば、チャンタブリー県での国境フェンス工事は計画の約60%が完了し、2026年中の全線完工を目指している。設置するフェンスには赤外線センサーや監視カメラが組み込まれており、越境する人や車両を24時間体制でモニタリングできる設計だ。この地域ではカンボジアに拠点を置く詐欺・人身売買組織の関連者が国境を越えて活動しているとの情報があり、警戒強化が急務とされてきた。

タイ東部国境は人身売買や違法薬物の密輸ルートとしても知られており、タイ・カンボジア両政府が二国間の情報共有と合同パトロールを強化している。ただし国境地帯の住民や地元経済にとっては、生活物資の越境流通が制限されるリスクもあるとして、人道的配慮を求める声も上がっている。

アヌティン政権は「越境犯罪との戦い」を政策の重点課題に位置付けており、南部ナラティワートのフェンス計画の原則承認(4月20日)と今回のチャンタブリー工事進捗は一体的な国境強化政策として位置付けられる。タイ政府の広報によれば、2026年度内に国境管理インフラへ新たに50億バーツ超を投じる計画だ。

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