
タイで急速に店舗網を拡大しているミニスーパー「CJモア(CJ MORE)」を展開するCJグループが、新規株式公開(IPO)計画とあわせて2029年までに全国5000店舗体制を目指す方針を明らかにした。市場関係者の間では「タイ小売業界の台風の目」として注目が集まっている。
CJモアは食品や日用品を中心に扱う小型スーパー業態で、都市部だけでなく地方都市への出店も積極的に進めてきた。会社側は来年をめどにIPOを実施する意向を示しており、調達した資金を出店加速や物流網の強化に充てる計画だという。
来年度は売上高1000億バーツ視野に
同社は来年、売上高で1000億バーツの大台に乗せることを視野に入れているとしている。急拡大の背景には、コンビニエンスストア大手が寡占する市場に対し、価格競争力と地方展開力で対抗する戦略があるとみられる。
タイの小売アナリストは「大手コンビニチェーンがひしめく市場で、ミニスーパー業態が独自の存在感を示しつつある」と分析。「地方都市や住宅地に密着した出店戦略が、価格に敏感な消費者層の支持を集めている」と評価する。
雇用創出への期待も
5000店舗体制が実現すれば、単純計算でも数万人規模の新規雇用が生まれる可能性がある。地方経済の活性化という観点からも、CJモアの出店拡大は注目されている。一方で、急速な出店拡大に伴う人材確保や物流コストの増加が今後の課題になるとの指摘も出ている。
タイの小売市場は人口動態の変化やEコマースの台頭で競争が激しさを増している。CJモアが掲げる大胆な拡大計画とIPO戦略が、業界の勢力図をどう塗り替えるか注目される。バンコクの小売関係者は「地方都市ではまだコンビニの空白地帯が残っており、そこを埋める形でCJモアが浸透している」と話し、今後も出店ペースが衰えない可能性を指摘した。