
バンコク都内ドンムアン区のソイ・ウィパワディーランシット72沿いで9月30日未明0時25分ごろ、洪水の際に放置されていたとみられる白色の電気自動車(バンコク登録ナンバー)が突然炎上した。消防が出動し、水トラック2台を投入した消火活動の末、約20分で鎮火した。
浸水後に放置、原因は調査中
通報を受けたバンケン分署とドンムアン分署の消防隊が現場に急行したところ、パホンヨーティン通り近くの左車線に停められた車両が激しく炎に包まれていた。現場に運転手や所有者の姿はなく、当局は洪水時に放置された車両であった可能性が高いとみて、所有者の特定と出火原因の究明を進めている。車両は全焼したが、けが人や死者は出ていない。
タイ当局は原因について「まだ確認されていない」としているが、電気自動車の車両火災は、浸水した電池パックの内部でショートが発生し、時間差で発火につながるケースが知られている。ガソリン車の火災とは異なり、リチウムイオン電池の火災は消火が難しく、鎮火後も再出火するリスクがあるため、消防関係者にとっても対応の難しい事案となっている。

タイで急拡大するEV、洪水との相性は
タイは中国メーカー主導のもと、東南アジアで有数のEV普及国となっており、バンコク市内でも電気自動車を見かける機会は年々増えている。一方で今回のように、記録的な豪雨による道路冠水が常態化するなか、水没した電気自動車のバッテリーがどのようなリスクをはらむのかについては、一般ドライバーの間でまだ十分な理解が広がっているとは言い難い。
専門家の間では、浸水した電気自動車は仮に外見上異常がなくても、電池パックの内部で腐食やショートが進行している可能性があるため、水が引いた後すぐに走行を再開せず、専門業者による点検を受けるべきだとの指摘がある。バンコクでは今後も浸水と冠水が繰り返される可能性が高く、行政やメーカー側による浸水車両の安全な取り扱いに関する周知の強化が求められている。
