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タイ工業連盟、洪水下でも自動車生産目標を維持も電気自動車の水没修理費高騰に懸念

記録的な洪水がタイ各地で続く中、タイ工業連盟(FTI)は2日、2026年の自動車生産・輸出目標を据え置く方針を明らかにした。一方で、電気自動車(EV)が洪水で水没した場合の修理コストが高額になる懸念も示し、EV普及が進む自動車市場ならではの新たな課題も浮き彫りになった。

生産目標145万台を堅持

FTIの自動車工業グループ会長を務めるスワッチャー・スプガンチャンデチャクル副会長は会見で、「洪水は産業に大きな打撃を与えていない。主要工場とサプライチェーンは通常通り機能している」と述べた。今後2〜3日で状況が改善すれば、2026年通年の生産目標である145万台(輸出90万台、国内販売55万台)の達成は可能との見方を示した。

同グループの広報を務めるスーラポン・パイシットパッタナポン氏も「現時点で工場の操業停止や深刻なサプライチェーンの断絶といった報告は入っていない」と補足した。

EVの水没、修理費が「相当高額」に

一方でスワッチャー氏が警鐘を鳴らしたのが、電気自動車が洪水で浸水した場合のリスクだ。同氏は「電気自動車が水没した場合、電気系統やバッテリーの修理・交換費用は従来のガソリン車に比べて相当高額になる」と指摘。現時点で重大な被害報告は入っていないとしつつも、注意を呼びかけた。

同氏は被災した車両の所有者に対し、「水に浸かった車は絶対にエンジン(モーター)を始動させてはならない」と強く訴えた。感電や車両火災のリスクがあるためだ。自動車メーカー各社はすでに、被災地域の顧客向けに無料点検サービスや部品割引などの支援策を打ち出している。

EVシフトが進むタイ市場ならではの課題

タイはこの数年、東南アジアでもトップクラスのEV販売国として存在感を高めてきた。国内生産の拡大も進む中、普及が進めば進むほど、今回のような自然災害時のリスク管理が新たな論点として浮上する格好だ。

業界関係者は「ガソリン車であれば水没しても比較的安価な修理で済むケースが多いが、バッテリーパックの交換となれば話は別。保険制度の見直しも含めた議論が必要になるだろう」と話す。タイ政府とFTIは今後、洪水被害の状況を注視しながら、年間目標の達成に向けた対応を続けるとしている。

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