タイの主要銀行株が、直近5営業日で軒並み大きく下落していることが3日、現地報道で明らかになった。全国的な洪水被害の拡大と米国債利回りの上昇という二つの要因が重なり、投資資金の流出につながっているとみられる。タイ株に投資する日本人投資家にとっても、金融セクターの動向は注視すべき局面に入っている。
報道によると、直近5営業日の下落率はクルンタイ銀行(KTB)が7.82%安、カシコン銀行(KBANK)が7.17%安、アユタヤ銀行(BAY)が7.10%安、タイ・クレジット銀行(CREDIT)が6.58%安、ティーエムビーターナブル銀行(TTB)が5.77%安となった。さらにサイアム商業銀行(SCB)が4.49%安、バンコク銀行(BBL)が4.16%安、ティスコ・フィナンシャルグループ(TISCO)が2.35%安と、大手行を含め広範囲に売りが波及している。
洪水と金利高の二重の重し
市場関係者は、全国的な洪水が続けば企業や個人の返済能力に影響し、銀行の資産の質や与信コストが悪化しかねないと懸念している。加えて米国債利回りの上昇が新興国市場からの資金流出圧力となり、配当利回りの高い銀行株であっても買いが入りにくい地合いが続いているという。
証券会社は一部で「買い」継続
一方でクルンシィ証券などの証券会社は、KTBやKBANKなど一部の銘柄について、配当利回りが6%前後と高水準にあることを理由に「買い」の判断を継続している。短期的な影響は限定的とみつつも、洪水が長期化した場合の資産の質については引き続き注視が必要との見方を示した。