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タイ中部の山中に9年潜伏、67歳の「浄化儀式」教祖を逮捕 7人が性的被害届け出

「これは浄化の儀式だ」――そう若い女性たちに信じ込ませ、山奥に連れ込んでは性的暴行を重ねてきたとされる67歳の男が、9年に及ぶ逃亡の末についに御用となった。逮捕現場は、タイ中部ペッチャブーン県の国立公園内という人里離れた山中だった。

逮捕されたのは通称「ワーン・フー」と呼ばれる男。警察は9月25日、約25人の捜査員を動員して山中を包囲する大掛かりな作戦を展開し、9年間身を隠し続けてきたこの男の身柄を確保した。

「浄化」の名を借りた9年間の凶行

捜査関係者によれば、男は自らを霊的な指導者のように振る舞い、「穢れを浄化する儀式」と称して若い女性たちを山奥へと誘い込んでいたとされる。対象となったのは一般女性だけでなく、山岳民族の女性たちも含まれていたという。巧妙な言葉で信頼を得たうえで人里から引き離し、抵抗できない状況を作り出してから性的暴行に及んでいた疑いが持たれている。

これまでに被害を届け出た女性は7人。その中には16歳と17歳の未成年者2人も含まれており、被害の深刻さと男の悪質性を物語っている。男には性犯罪、未成年者の誘拐、不法監禁など合わせて6件の逮捕状が出されており、今後複数の容疑での起訴が見込まれている。

9年間、なぜ捕まらなかったのか

山岳地帯という地理的な条件に加え、被害者の多くが声を上げにくい立場に置かれていたことも、男の逃亡を長引かせた一因とみられる。捜査関係者は「儀式という名目で心理的な支配下に置かれていた被害者も多く、通報や証言の壁は高かった」と、事件が長期化した背景を語る。

ニュースが伝わると、タイのSNS上では激しい怒りの声が広がった。「9年間も逃げ切れたことが恐ろしい」「宗教や儀式を隠れみのにする人間は絶対に許せない」「未成年の被害者がいたと知って言葉が出ない」といった趣旨の投稿が相次ぎ、事件への関心の高さと同時に、被害者への同情の声が広がっている。

今後の司法手続きへ

警察は身柄を確保した男について、性犯罪や誘拐など複数の容疑での取り調べを進めている。担当者は「被害者はさらにいる可能性がある」として、追加の情報提供を呼びかけている。9年という長い年月を経てようやく動き出した司法手続きが、被害者たちの傷にどこまで向き合えるのか、今後の捜査の行方が注目される。

国立公園という「隠れ場所」

男が9年間身を隠していたとされるペッチャブーン県の国立公園一帯は、山岳地形が入り組み、外部から容易に立ち入れない地域として知られる。捜査員25人態勢という大規模な包囲作戦が組まれた背景には、こうした地の利を生かして逃げ続けてきた男の狡猾さがあったとみられる。地元の山岳民族コミュニティの間でも、男の存在は長らく「近づいてはいけない人物」として語り継がれていたという証言もあり、事件の根深さをうかがわせる。捜査当局は、余罪や協力者の有無についても引き続き調べを進める方針だ。

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