
タイ南部の人気リゾート地プーケットで、外国人がタイ人の名義を借りて事業を営む「ノミニー(名義貸し)」の摘発作戦が実施され、国際学校やレンタカー業、飲食店など計6つの事業が摘発対象となった。捜査当局はタイ人10人、外国人6人の計16人を関係者として特定し、事業の実態解明を進めている。
今回の作戦はプーケット県内の警察署管内で行われた「フェーズ4」と位置づけられる摘発活動で、外国人事業法(Foreign Business Act)違反の疑いで捜査が進められている。摘発対象となった国際学校では、外国人がタイ人を名目上の経営者に据えて実質的な運営を続けていた疑いがあり、レンタカー業についても同様の名義貸しの構図が指摘されている。
広域に及ぶ名義貸しネットワーク
今回の摘発はプーケット単独の事案にとどまらない。政府による全国規模の調査では、スラートターニー、パンガー、プーケット、クラビ、チョンブリ、チェンマイの6県にまたがり、外国人が不正に取得したとみられる土地・建物が233件確認されているという。観光地としての人気とともに、外国資本による土地・事業の実質支配が水面下で広がっている実態が改めて浮き彫りとなった。
地元の不動産関係者は「表向きはタイ人経営でも、資金の出どころも意思決定も外国人という物件は実際に多い。取り締まりが進むこと自体は歓迎したい」といった趣旨の話をしている。一方で、観光業界の一部からは「合法的な外国人投資まで委縮させないよう、線引きを明確にしてほしい」との注文も出ている。
タイ政府はノミニー対策を優先課題の一つに掲げており、今後も観光地を中心に同様の摘発作戦を継続する方針とみられる。プーケットの摘発は、タイ経済における外国資本規制の実効性が問われる試金石となりそうだ。