タイの首都バンコク東部のシーナカリン通りにある中国の高級電気自動車(EV)ブランド、ジーカー(ZEEKR)の販売拠点「ZEEKRハウス・シーナカリン」で10月6日朝、車両火災が起きた。燃えたのは、洪水で浸水被害を受け、修理を待っていた車だった。けが人はなかった。
経済紙プラチャーチャートビジネスによると、火はすぐに消し止められ、それ以上の被害は出なかった。ジーカー・タイランドは声明で、出火した車両は「洪水で損傷を受け、修理を待っていた車両」だと説明した。原因はまだ特定されておらず、同社の技術者や専門家が関係機関と協力して調べている。車種や電池の状態は明らかにされていない。証券専門紙カオフンも、同社がけが人はいないと説明し、原因を急いで調べていると報じた。
浸水EVの扱いが課題に
タイでは9月以降、中部やバンコクで大規模な洪水が続き、多くの車が水につかった。EVは駆動用の電池や高電圧の部品を床下に積むため、浸水した車両の点検や修理には専門の知識と時間がかかる。水が抜けた後に時間をおいて不具合が出る例も海外では報告されており、修理待ちの車両をどう保管するかは販売店にとっても課題になる。
タイ工業連盟は10月初め、洪水で水没したEVの修理費が高騰することへの懸念を示していた。ショールームという人の集まる場所での出火は、EVの普及を進めるタイにとって、安全面の不安を広げかねない。ジーカーは雨季の間、冠水した道路を避けて慎重に運転し、車両を定期的に点検するよう利用者に呼びかけている。
同社は、原因が明らかになり次第、情報を公表するとしている。洪水の被害を受けたEVの所有者は、自分で充電や走行を試す前に、販売店に点検を依頼することが重要だ。保険の補償内容と合わせて、修理の手順を早めに確認しておきたい。