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タイ・サムイ島沖でジェットスキーが戻らず、フランス人親子3人が海上で一晩を越し翌朝救助される

タイ・サムイ島沖でジェットスキーが戻らず、50歳の父と9歳12歳の兄弟が一晩を海で越す
画像:イメージ

ジェットスキーは戻ってこなかった。乗っていたのは、50歳のフランス人男性と、その息子である12歳と9歳の兄弟。3人がタイ南部スラートターニー県サムイ島の海に消えたのは、8月13日の夕方だった。

出発したのはチャウエンビーチ。ロングビーチホテル付近のレンタル業者から、ジェットスキー1台を借りて沖へ出た。父と幼い息子2人という組み合わせである。夕暮れの海は穏やかに見えたはずだ。

「1台が出たまま、戻ってきていない」

異変に気づいたのは、レンタル業者だった。

「外国人観光客がジェットスキーを1台借りて出たが、まだ岸に戻ってきていない」

その通報が、大がかりな捜索の引き金になった。サムイ島郡のアモーン・チュムチュアイ郡長が自ら陣頭に立ち、関係機関が総動員で夜の海に船を出した。

だが、夜のサムイ沖は広い。3人はジェットスキーから離れ、海面に首だけを出した状態で漂い続けることになった。ライフジャケットに身を預けたまま、日没から夜明けまで、ただ波に揺られる時間である。9歳の子どもにとって、それがどれほどの長さだったかは想像するしかない。

一夜明けての発見

3人が発見されたのは、翌8月14日だった。捜索隊が海上で漂流する姿を確認し、無事に岸へ運んだ。丸一晩、海に浮かんでいたことになる。

タイのSNS上では、「子ども2人を連れて夕方に沖へ出るのは無謀だ」「レンタル業者の安全管理はどうなっているのか」といった趣旨の書き込みが目立った。一方で、「全員生きて戻ったことが何よりだ」「郡長が自ら出たのは評価してよい」と、捜索体制を称える趣旨の投稿も並んだ。

サムイ島のジェットスキーレンタルは、以前から観光客とのトラブルが絶えない業種でもある。返却時の破損をめぐる高額請求が問題視されてきたが、今回浮かび上がったのはそれ以前の、安全管理という基本の部分だった。

日本人旅行者にとっても他人事ではない

サムイ島はバンコクから空路で約1時間、日本人観光客にも人気の高いリゾートである。ビーチアクティビティは手軽に申し込めるが、出航時刻の確認、ライフジャケットの装着、GPS付き機材かどうかの確認といった基本を業者任せにしないことが、結局は自分の身を守る。

特に夕方以降の出航は、トラブルが起きたときに視界を失う。海上での捜索は、日没を境に難易度が跳ね上がるからだ。

3人は無事だった。ただ、彼らが見たであろうサムイの夜の海は、パンフレットの写真とはまったく別の顔をしていたに違いない。

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